地方にセルフリノベで賃貸物件をつくる Vol.1

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広島・福山を拠点に各地でリノベーションデザインをしながら、
大家になることを目指しているフジイです。

住宅や店舗のリノベーションを
デザインから作ることまで一貫して行なっています。

なんとこの度、念願叶い「大家」になることになりました。

なぜ大家に?

なぜ大家になるのか?

それは縁あって、2019年から3年間空き家になっていた、
ある地方の戸建平屋物件を所有することになったからです。

これからその家をセルフリノベーションによる手直しで賃貸物件にし、
その町の大切な住まいの一部として蘇らせていきます。

セルフリノベーション前の状態

平屋物件なので1階のみの間取りです。

1989年に建てられた築32年の物件。
現状、キッチンやお風呂などの水回りは古さが見られるのの、
外壁や躯体、柱などはしっかりしています。

中の状況は残地物処理中で、まだ詳しくは把握できていません。

しかし立派な和室が2部屋と6畳ずつの居間とキッチンで、
広さとしては申し分ない間取りとなっています。

写真が撮れる状態になり次第、
報告させてもらいます。

なぜ戸建築古物件でセルフリノベーションをしようと思ったのか?

結論から言うと、
『日本中の空き家問題が非常に深刻になっている』からです。

まずこの物件は福岡県田川市という
大都市・福岡市から車で1時間ほどの町にあります。

“筑豊地方”と呼ばれ、
昔は炭鉱で栄えた炭坑節発祥の有名な町です。

炭鉱以外にも井上陽水、IKKO、小峠(バイきんぐ)、バカリズムなど
キャラの濃い芸能関係の方がゆかりの町でもあります。

しかしこの町も人口減少、少子高齢化の煽りを受け、例に漏れず、年々空き家が増えています。

2018年の住宅・土地統計調査の結果で、
全国の空き家数は845万9千戸で、全国の住宅の13.6%を占めています。

リノベーションを生業としている者として、
いつかは向き合わなければいけない問題だと常々感じていました。

なぜ地方物件なのか?

それは地方が抱える
住宅問題を解決したいと思ったからです。

全盛期より人口が減少している田川市ですが、
近頃は廃校利活用施設「いいかねパレット」や感度の高いコーヒーショップ、
無農薬自然派カフェなど、地域に根付いた様々なスポットができています。

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足をのばして訪れたい、とっておきのカフェ|特集記事|にしてつニュース ーたのしいまちの、たのしい暮らしー

そのためこのような施設に関わる方などが、
都会からUターン、Jターンなど移住する方が増えています。

そんな人達からよく聞くのが、
「賃貸物件が少ない」ということ。

これは当たり前と言えばそうなのですが、
地方は“持ち家”が基本で、将来的に新築で自分の家を建てるという
一連のロールモデルが存在します。

そんな状況では「賃貸物件」に需要はなく、
供給されることもありませんでした。
現状、田川市内には「戸建の賃貸物件」が
1軒のみ(※2023年1月現在)です。

唯一ある1軒もかなりの築古物件で、住むには苦労をする状況と見られます。

これらの話は他の地方でも多く聞きます。
観光として魅力があり、素敵な宿や飲食店がある場所であっても働いている人曰く、
「観光スポットはあっても住む場所はないということ。

しかし家がないかと言えば、メチャクチャ空き家があります。
要するに「住める家」がないということ。

これが地方が抱える住宅問題です。

「家はあるのに住めない家」とは?

「家はあるのに住めない家」というのは、どうゆうことなのか?

それは、
 ・家具、家財など残置物がある
 ・家が傷んでいる
 ・相続など権利の問題がある


など、様々な要因からすぐ住むには
ハードルが多く“放置されている家”
たくさんあるということです。

逆にそれらの家を持っている方からすると
持て余している、という話もよく聞きます。

その場合は住んでいる方が高齢になり手入れができなくなったり
子供が都会へ出てしまい受け継ぐ人がいない
などの原因でほとんどです。

これが日本中の空き家物件が減らず、
うまく解決できない要因です。
(これ以外にも複雑に絡み合った様々な要因もあります)

現状、地方に人が戻ってきているのに、
町として住む環境が追いついていないという状況です。

せっかく地方が活発になっても気軽に住む場所がなければ、
移住やUターン・Jターンできず、地方暮らしが楽しいものにならないのでは、
という懸念を持っていました。

地方に住むには
「古民家を買って、自分で直して…」
なんてとてもハードルが高いことです。

賃貸物件で解決する地方の住宅問題

「住めない家」「住みたい人」の間にある問題をリノベーションで解決する。

『地方・地域の発展、それを支える人達のための空き家再生』をモットーに
「住める家」を一軒でも増やすこと。

これが地方の住宅問題を解決する一つの方法だと考えています。

そして、
「地域を盛り上げる人」
「地元にこれからも住みたい人」
「地方に住んでみたいと思っている人」

のための“住まいのいい選択肢を作れば、
さらに町が潤い、循環し、良い環境になると思っています。

町を動かすような大きな存在ではなく、
町の少しズレた小さな歯車を一つ直せる助っ人、潤滑油のような存在として
地域に貢献していくこと。

これが戸建築古物件でセルフリノベーションをして賃貸物件をつくる理由です。


長々とお読みいただきありがとうございました。

引き続き応援、フォローをよろしくお願いいたします。


フジイ トモキ / 365 WORKS・代表
(@365_works )

「家をつくる、日々をつくる」を コンセプトに
住宅リノベーションを デザイン・セルフビルドしています。

主なお仕事
・住宅のリノベーション
・家具の製作
・DIYの相談、手助け

1990年生まれ、瀬戸内→大阪→東京→瀬戸内

▶︎Blog:Magazine 365
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